と き:3月24日(月)午後3時~午後8時30分
ところ:札幌バプテスト教会
みなさんにお祈りいただいていた「障害」者と教会委員会の公開委員会が3月24日(月)、春浅い札幌教会で行われました。
今回は「心病む人に寄り添う教会」と題して証と講演の集いを持ちました。みなさんにもお祈りしていただいたので、札幌近郊だけでなく、小樽からも参加者があり、39名の参加者と恵みを分かち合うことが出来ました。
今回、講演をお願いした向谷地生良(むかいやち いくよし)先生からは、長く「べてるの家」を中心として統合失調症や「うつ」といった課題を負った人たちと関わってこられたご経験から大切なことを分かち合って下さいました。先生は実際にべてるの家で働きながら生活する二人の青年の証言を交えて次のように語って下さいました。「ここ20年ほど、心病む人たちに対する医療と『薬』による治療が飛躍的に発達した。しかし誤解を恐れずに言うなら、医療と薬のみに頼っている限りは病気が主人公であり、自分自身が病気に支配された状況からは抜け出せない。医療も薬も大切だが、それ以上に大切なのは、自分自身が主人公となって自分自身の課題を正確に捉え、病気をコントロールできるようにすること。これには当事者同士のディスカッション(当事者研究)という方法があり、べてるの家ではこの方法を実践している。また、何より彼(彼女)らを特別視せずに受け入れ、見守る社会が欠かせない。そういう意味で、すべての人を受け入れることを実践している(実践しようとしている)教会の存在に大きな期待を寄せている」。
この日は、夜の講演に先立って札幌教会の女性会から一人の「うつ」を経験されたご婦人のお証を聞きましたが、彼女も教会の交わりの中で自分の病と向き合い、癒しを備えられているとお話し下さいました。
私たちは集会を準備するときに何も意図していたわけではないのですが、昼の集会と夜の講演は「交わりの大切さ、人の力」という点でつながっていたことを感じました。「人の力」と言うと、神さま抜きで「自力」で病を克服することと誤解されそうですが、心病む人と彼(彼女)らに寄り添う人が、しっかりと課題に向き合うことを言われているのだと思います。
浦河の教会から始まった「べてるの家」の試みを、参加者とともに分かち合えたことをうれしく思います。
今回、委員会としての話し合いも行われました。特にご報告しなければならないのは、「証し集」の編集が順調に進んでいることです。塩山宗満委員を中心に、この夏ごろを目標に最終的な編集作業が行われています。どうぞこの証し集の出版にご期待下さい。
まだ春浅い札幌でしたが、会場は熱い思いをもって集って下さった方々の熱気で満ちあふれていました。
文責:内田章二

向谷地生良先生

開会礼拝